「もし、メッシがあの能力を持って、

日本で生まれてサッカーをやっていたら

おそらく苦手なヘディングをどうにかしろ

とか言われながら育って、

サッカーが嫌いになって

辞めちゃってたと思う」


これはスポーツライターの
金子達仁氏が、

あるテレビ番組内で言っていた
ことです。


実際にはメッシは
日本で生まれていないので

それが本当にそうなるかは
誰にも分からないことですが、

これはあくまで

”自分の弱点”をどうするか

というテーマについての例えでした。


もし、分からないこと、

出来ないことがある場合、

その知識を得るために勉強する、

出来るようになるために練習する、

等、「努力をすることが必要」

というのが普通の発想です。

僕自身も昔から確実にそうです。


しかし、

それがスペインの場合は、

「それが出来る人に任せる」

ということを最善策として
考えるのだそうです。


つまり、

もし仮に

その分野に強くなければ、

その分野に強い人に任せる、

あるいはそういう人を連れてくる

と言った具合です。


完璧な存在である必要はないし、

そんなことはそもそも不可能だと

割り切っています。


お互いに強みだけを活かし、

強い個が集まったチームを組む考えです。



これもある記事で読んだのですが、

スペインでU-16のチームの監督
を務める日本人の方が、

選手とこんなやりとりを
したことがあったそうです。


ある日の練習で、

選手同士が1対1でスピードを
競うような形の練習をしていた時、

その選手が、

「俺は足が遅いから

この練習は好きじゃないし
やりたくない。

でも俺はテクニックは
誰にも負けないから

それでチームには貢献できるだろう?」

と監督に言ってきたそうです。

つまり、

足が遅いという自らの弱点を
はっきり口にした上で、

それを向上させる気はないと
宣言したことになります。


ここだけを切り取ると、

わがままな選手だと
感じるかもしれませんが、

この監督が言うには、

この選手は向上心や練習態度
に決して問題があるわけではなく、

テクニックにも本当に優れていて、

チームに貢献したいと言う
気持ちも間違いなく本物だったそうです。


その時は、

「この練習の勝敗でスタメンを
決めたりということはないから
最後まで続けよう。

でも、君の気持ちも分かるから、

君と同じぐらいの足の速さの
選手との対決になるように順番を整える」

ということで折り合いをつけたそうです。

(なんと素晴らしい対応、、、)


そしてこの監督は練習後に、

「これが日本人の選手だったら、、、

足が遅い弱点を克服するために

トレーニングに励むのではないか」

と考えたそうです。


日本人は忍耐力があって、

完璧を目指そうとする姿勢に美徳
を感じる傾向にあります。


スポーツで苦しいことに耐えて、

努力をすることが素晴らしいという
風潮があります。


これはこれで、

「何かに向かって努力する」

というのは、

日本人の素晴らしい部分の
一つだと思いますし、

スペインがこうだからって

日本人も必ずしも
そうするべきだとは思いません。


海外がこうだから、

必ずしもそうするべきっていう
考えは僕自身あまり好きじゃないし、

日本人ならではの良いところも

確実に活かしていくべきだと
思っています。


できなかったことが
出来るようにすること、

分からなかったことが
分かるようにすること

の姿勢を「完全」に
なくすのは、

自らの成長機会を奪うことに
なるので基本的には必要です。


しかし、

本来サッカーは、

そもそもスポーツは、

楽しむことが最も大切なので、

自分の弱点や、

出来ないことばかりに目を向け

気付かないうちにストレスになるよりも

自分の長所に目を向け

出来ないことはチームの誰かに
助けてもらうといった姿勢も、

時には大切なことでは
ないかと思います。


僕たちレガテドリブル塾
のスタッフ陣も

当たり前ですが
完璧じゃありません。

3人のスタッフでお互い
助け合いながら、

模索する日々です。


そして何より、

子供達からも毎回学びがあります。


僕たちが気づいていないことを

意外と子供達は気付いていること
もたくさんあります。

レガテドリブル塾も、

そうやってお互いの強みを
それぞれ発揮していけるような

スクールにしていけたらと
思います^ ^