リフティングの技術は
一見すると

サッカーの試合の中で
直接使う場面は
あまりありません。

サッカーのルールで
「ボールを地面に落としたらいけない」
というルールもないし、

リフティングを試合中にするメリットは
ほぼないと思います。

(ストイコビッチが見せたように
雨の日のピッチをリフティングで
駆け抜ける場合は別ですが、笑)



「リフティングの回数」
については、

賛否分かれる意見でもある
と思いますが、

REGATEドリブル塾では、

「リフティングは回数も大事」

だと考えています。



その理由を簡単にまとめると
以下の3点になります。


①様々な部位での基本的な
ボールタッチ感覚を養う

②軸足でのバランス感覚
を身につける(軸足のコントロール)

③ 「小さな目標」設定を繰り返し
「成功体験」の積み重ねにつなげる



①は分かりやすいと思いますが、
リフティングで「ボールに触れる」
ことで基本的なボールタッチ感覚が養われます。

プロサッカー選手で
リフティングが下手な選手は
あまり見たことがないように、

サッカーで最も基本的な
ボールタッチ練習になります。

もちろんリフティングの回数
が多くなる程、

ボールタッチする回数も増え
ボールタッチ感覚はますます
磨かれます。


②については、意外に思われるかも
しれませんが、リフティングでは
バランス感覚も身につきます。

リフティングの際
ボールタッチした時は、

足でやる場合必ず一瞬
「片足立ち」になっているはずです。

ほんの0.1秒~0.5秒かもしれませんが、
リフティングの回数をこなすことで、

「片足でバランスを取る時間」
は長くなります。

サッカーの試合中は、
直立でボールを扱えるわけではないので

この軸足のバランス感覚は
とても重要になります。


中村俊輔選手も、

リフティングは回数が大事というとを
話されていましたが、

その理由として、

この「軸足のコントロール」
のことを挙げられています。



最後の③について、

実はこれが一番大切なんじゃないか
って思っています。

リフティングは
最も目標と結果が分かりやすい
練習です。

もし、「今日は100回やろう」
と決め、

100回以上出来たなら

その目標をクリアしたことが
分かりやすく、明確です。

小さな成功体験になり
自信にも繋がります。

大人でも何か目標を立てて
成功したら嬉しいし、

次の行動のモチベーション
にもなります。


最近、

REGATEドリブル塾では
最初の10分間全員でリフティングを
やっています。

これまでも何度か、
ウォーミングアップも兼ねて
取り入れたりしていましたが、

新しい「あること」

を取り入れたことで、

REGATEのトレーニング内の
10分のリフティングの時間で

「自己最高新記録」を
更新する選手が続出しました。


その「あること」とは、

「記録を取る」ことです。


とても簡単なことではありますが、

リフティング終了後
一人一人「今日の記録」
を聞き、

ちゃんと紙にも書くことで

記録を取っていることを
「子供達の目にも見える形」
にしました。


コーチ陣から子供達に
伝えている唯一のことは、

「今の自分の記録を毎回塗り替えよう」

ということだけです。


ちょっとしたコツ等も
伝えたりはしますが、

基本的には10分間
リフティングだけに集中します。


子供達にリフティングする
時間はたくさんあるはずなのに、

なぜ、REGATEドリブル塾の
この10分間で自己新記録を
更新できるのか。


それは、「今の自分を乗り越える」
ということを、

子供達の「小さな目標」
として設定したからです。


この「小さな目標」
というのが重要で、

子供達にとっては、

これが毎回ちょっとした
ゲーム感覚で

「今日はやってやろう」

というモチベーションにも
繋がっています。


目標がもし、

いきなりプロになるとか、

あまりにも先の目標になると、

設定した目標が、
「今」の行動につながるのは
なかなか難しいと思います。



目標は達成出来たら
嬉しいし、楽しい。

小さな成功体験になります。


もし仮に達成出来なくても、
それは悪いことではなく、

その目標に向かった
過程が大切だということは

一番最初に伝えます。


目標が立てやすく、
結果が分かりやすい
リフティングは、

子供達にとって大切な、
成功体験のキッカケになります。



このように、

リフティングの回数にこだわる
ことは、

とても大切な要素が
隠されています。

ただやるだけでなく、

そのような効果・意味
があることも踏まえながら

ぜひ意識して
取り組んでみて下さい^ ^








奥平 卓也