引退会見で子供達に残したメッセージ
先日、野球界のレジェント、
イチロー選手が
引退を発表をしました。
野球を知る人だけでなく、
野球好き以外にも多くの
ファンがいたイチロー選手。
僕もその中の一人でした。
野球に詳しくなくても
見ている人をワクワクさせるプレー、
偉大な記録、
そして彼の超一流の
人間性からなる行動と発言には、
多くの人が心を打たれた
ことだと思います。
そんなイチロー選手の引退会見で、
より多くの子供達にも
受け取って欲しいと、
強く感じた子供達へ
向けての言葉がありました。
以下全文を引用記載します。
———子供達にメッセージをお願いします(記者)
野球だけでなくても
いいんですよね、
始めるものは。
自分が熱中できるもの、
夢中になれるものを見つければ
それに向かって
エネルギーを注げるので、
そういうものを
早く見つけてほしいと思います。
それが見つかれば、
自分の前に立ちはだかる壁にも、
壁に向かっていくことが
できると思うんです。
それが見つけられないと、
壁が出てくると
あきらめてしまう
ということがあると思うので。
いろんなことにトライして。
自分に向くか向かないかよりも、
自分の好きなものを
見つけてほしいなと思います。
———引用ここまで
そんなイチロー選手の場合、
夢中になったものは「野球」です。
そしてその夢中のパワーが
エネルギーを生み、
壁が立ちはだかっても
それに向かって努力することができる
ということを伝えています。
「夢中」でやったことは無駄にならない
サッカーの指導者である僕が、
こんなことを言うのは
少し変かもしれませんが、
今サッカーをやっている
子供達の中でも、
もしサッカーよりも
夢中になれることに出会ったら、
とことんそのことに夢中になって
やって欲しいと思っています。
夢中でやったものは
決して無駄にならないし、
必ずその経験は
何かしらで繋がると思っています。
今の時代は、
夢中になったことが
ゲームだったとしても
「YouTuber」や「ゲーム実況」
「e-sports」という形で
実際に仕事に繋がる時代です。
当然、「ゲームに夢中になれる」
ということも一つの才能だと思います。
ゲームに夢中になれない人が
ゲームに夢中になれる人に
「ゲーム実況」や「e-sports」
で勝てるはずがありません。
イチロー選手が言うように
「夢中」には
とてつもなく大きなパワーと、
困難にも立ち向かうタフさを
生みだす力があります。
「夢中」が行動を支える
僕自身も、
幼少期から今まで
様々なことに夢中になりましたが、
結局一番熱狂的に
夢中になれたのが「サッカー」でした。
プロの道を諦め、民間企業に就職し、
それでもやはりサッカーが諦められない。
仕事もそれなりに充実はしていましたが、
やっぱり人生の中心には
常にサッカーがないと気が済まない。
ちょうどその頃
子供が生まれたこともあって、
「この子がもしサッカーを始めたら、
自分でもサッカーを教えたい。
そして、
もしこの子が僕の幼い頃みたいに
プロを目指すと言ったら
自分の叶えられなかった夢を
託すのも一つの楽しみかも」
と勝手ながら感じていました(笑)。
そこからはもう迷いはありません。
「サッカーの指導者」
を目指すことを決め、
すぐに動き出しました。
最初の頃は
県内の指導者の方々に挨拶に伺い、
自身の指導者としてのビジョンを
伝えていく活動を行いました。
「サッカースクールは
沖縄で厳しいんじゃない?」
「こんなの無理だよ、集まらないよ」
といった厳しい意見・お言葉を
沖縄のサッカー界の指導者の方々から
たくさん頂きました。
当然です。
先輩方から見ると
若い指導経験のない僕が、
これまで沖縄で前例がない
「ドリブル塾」という異名な
名前のサッカースクールを
開校しようとしているのです。
もちろん悔しさもありましたが、
これまで長年沖縄のサッカー界
を支えてきた先輩方には
何も言い返せませんでした。
しかし、その頃の自分は
とにかく必死です。
サッカーで活動していく
と決めてから
とにかく「夢中」だったため
立ち止まることは
ありませんでした。
「REGATEドリブル塾」
を立ち上げるにあたり、
色んな壁もあり、
多くの困難もありましたが、
これまでのサッカー経験と、
熱意だけで行動し続けました。
紛れもなくイチロー選手の言う
「夢中」の力が
僕を動かし続けていたのだと思います。
夢中になることはなんでもいい
大変ありがたいことに
僕の熱意や想いに対して、
誠意を持って耳を傾け
応援して下さる先輩指導者の方達も
たくさんいました。
本当に多くの人の支え
があってこその今の
「REGATEドリブル塾」であり、
その方達に対しての
感謝の気持ちは
一日たりとも忘れたことは
ありません。
少し脱線してしまいましたが、
「夢中」が持つパワーは
僕も身を持って感じています。
イチロー選手が言うように、
子供達にとって夢中になれることが
サッカーでも、遊びでも、勉強でも、
なんでもいいので、
自分の「好き」
に正直に向き合って、
何かに熱中して生きて欲しいと思います。
そんなイチロー選手が
マリナーズの「指導者」になるという
ニュースがありました。
これからは「技術を伝える人」
としてのイチロー選手です。
スポーツは違いますが
同じ指導者として、
「指導者イチロー」
からもまた多くのことを
学んでいきたいと思います。
奥平 卓也